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Takao Kisugi



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Takao Kisugi

ためいき春秋

Lyricist:来生えつこ
Composer:来生たかお

毎朝男は背中を
かがめてバス停へ歩く
同じ歩幅同じ背広
一度も振り向かない

バスが来るまでの間に
タバコを一本だけ吸う
顔はみえず列が増えて
ただ黒い点になる

ひそかに彼に恋してる
無口なタイピストがいる
引き出しに彼の名刺を
大事にしまってある

それぞれの明け暮れ
それぞれのため息

壁の向こうにあの人がいる
すれ違うのはほんのエレベーター

鈍い太陽の陽射しが
オフィスの窓によどんで
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閉じ込められた恋心
ため息と文字の数

男はまるで気づかない
ビルの谷の春風にも
心はまるでそよがずに
薄い肩をすぼめる

それぞれの明け暮れ
それぞれのため息

ひがな一日タイプの音と
コピーのように繰り返す毎日

気づかないのは気づかないのは
さびしい瞳ときめきも忘れて
バスが来るまでバスが来るまで
男の背中見分けられるけれど

列が増えてく列が増えてく
そのたびごとに黒い点になる
バスが来るまでバスが来るまで
バスが来るまで煙草くゆらせるだけ